観劇の話。
だいぶ、だいぶ、だいぶ…鼻炎が治まってきました。
現在はたまに、おっさんのような咳払いをする程度です。(分かりにくいですか??)
先週まではひどい鼻声・むせ咳だったので、極力外出は控えていました。
ガラガラ鳴る咳をすると、周囲は“ばい菌君”を見るような目を送ってきます。
当人は、鼻の奥に佇む鼻水で苦しんでいるだけなのに…
菌じゃないのに…
こういう体調の時に一番居づらいのが、劇場の客席。
万一むせだしたら、もう逃げ場がない。
なるべく音を出さないように、遠慮がちに咳をするものの、抑えようと思えば思うほど、むせていく。
よし、飴をなめよう!と思ってかばんを探すが、カサカサする音が静寂な空間に鳴り響く。。
こんな経験ありませんか…?
私はしょっちゅう(笑)。
そんな失態も覚悟で、先週今週と、二つの舞台を観劇しました。
そのご報告を。
一本目は“響人(ひびきびと)”の『夜の訪問者』。
響人は久々の観劇だったので、このブログには初登場かと思いますが、
簡単に云ってしまうと、劇団四季を退団した俳優陣が立ち上げたユニットです。
役者・スタッフ・観客とが響きあえる舞台を創る…響人。
この立ち上げメンバーが、私の恩人である広瀬彰勇(あきお)さんであり、レミゼの時に紹介した先輩の吉原光夫さん、そして、四季でほぼ同期の高橋卓爾(たくじ)君。
このお三方は不動ですが、毎公演ごとに他出演メンバーが変わっていきます。
そして、演目はいつもストレートプレイ。
四季出身者だからと云って、ミュージカルをやるわけではありません。
毎度、年季の入った小劇場で、少ない出演者で、大袈裟な芝居も音楽もなく、役者が演じる“役”の心理を楽しんでいくような舞台。
こんなところで咳き込んだら、ぶち壊してしまうような繊細な舞台
実は私、こういう作品が好き。
見た目の華やかさは、光景としての思い出になるけど、心に残ったかというと・・・?
暗すぎたり、重すぎたり、結論のないストーリーは嫌だけど、
舞台を観ながら考えさせられたり、肝に銘じたり、胸に突き刺さったり…とにかく心を働かせることができた作品に出会えると、ものすごく至福を感じます。
そして、作品の余韻に浸る。我慢できないときは、人に語る。
今回観た『夜の訪問者』はJ.B.プリーストリー原作を、演出の小山絵梨子さんが翻訳されたそうです。
その夜、自殺したある女の人生が、無縁と思える幸せ絶頂の家族の一人一人と何らかの関わりを持っており、その一つ一つが暴かれるとともに、家族の輪が崩壊していく、、というものでした。
自分の幸福の裏にある、他人の不幸。
私は、人生において、これは永遠のテーマだと思っています。
夏に挑戦した『一輪のひまわり』の脚本も、このエピソードを入れました。
人は自分のエゴのために、無意識に他人を傷つけている。
これに気付かず生きることは、非常に愚かだし、損だと思う。
この舞台は、小説を一人で没頭しながら読み、次は次は…とページをめくっていくような感覚でした。
それは家族が崩壊していく様を見届けたいのではなく、その自殺した女と家族がどう関わっていたのか、結果彼女に何をもたらしたのか…それを知りたい、といったものでした。
結局、家族に関わったとされるその女は、本当に同一人物だったのか…別々の女だったのかもしれない…というのが、この物語のトリックで、客もすっかり騙されてましたが、いずれにしても、この家族の各々がどこかの誰かに行った非道は事実。
小さな過ちの積み重ねが、結果、人を死に追いやってしまったとしたら…恐ろしいですね。
この公演は先週末に終わってしまったので、思わず物語の展開まで描いてしまいましたが、非常に興味深い作品でした。
終演後、「この原作を読んでみたい」と広瀬さんに申したら、「演出の小山さんはそうとう訳を変えたそうだよ」と。だとしたら、なお、凄いな。。
たった6人しか出演せず、舞台装置も非常に工夫を凝らしたものでした。
額縁舞台(長方形の箱)の中に、もう一つ、額縁があるような創り。ちょっと絵でも描かないと説明できないけど。
とにかく、出会えて良かったと思う舞台でした。感謝です。
続いての作品は『里芋』。
はて、なぜタイトルが“さといも”だったのだろう???
こちらは二人舞台。
事務所の方にご招待ただき観劇させていただきました。
出演者の方は初見でした。
こんなところに、劇場というかホールがあったことは全く知らず。。。
円形の会場は、半分を50人ほどの客席、半分を演技エリアに造ってありました。
最初に55分の舞台と説明を受け、気持ちも楽に見ることができましたが、二人芝居なら十分な尺かもしれません。長くても90分かな。でも、一日3公演やるらしい
一人芝居・二人芝居…いずれは挑戦したいジャンルなので、機会があれば観るようにしていますが、今回は、着替えも装置替えも薄明かりの中、すべて見せる形式でした。
幕はなく、そのホールにもともとある柱にちょこっと隠れるくらい。
二人、出ずっぱりだからそれで十分なわけですね。
でも女優の着替えを丸見えにしたら、お客さんは目のやり場に困るだろうな。。
舞台は病院。ちょっとオカマな医者と患者のやりとり。
医者は、葬儀のシーンでは患者の同僚役と二役でした。
病院→葬儀場→病院→空港→病院→野外
一時間芝居にしては、舞台転換・着替えが多いな…と率直な感想。
私なら、空港のシーンはカットし、回想話だけで行けるな…とか見ながら考えちゃうわけです職業病です…ごめんなさい。
頑固だけど憎めない二人のおじ様を微笑ましく見守るような舞台でしたが、
“フェイスブック”に30年前に死んだはずの初恋の彼女から“友達申請がきている”なんて今どきな設定にワクワクしました。
舞台の在り方はピンキリだけど、こんなカタチもすごく素敵だなぁと思いました。
明日は、友人のライブコンサートに行ってきます。
一人ミュージカル・二人ミュージカルetc..
これがまた面白いのです。
考えてみれば、この方々も四季出身者だわ。みんな多彩で面白いな
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コメント
こんにちはo(*^▽^*)o
ぼくはエハラの学芸会で、子供の1を演じた、ちっちゃい子、カ〇タでぇす。
23日、今日真家先生のブログを初めて見ました。
ナントッ!ぼくたちのことが載っているではありませんか!感激しました!!
担任の先生、音楽の先生の熱心なご指導にプラスし、真家先生のアドバイスのおかげで、おもいでに残る最高の学芸会になりました。
本当にありがとうございました。
また、僕たちの学校に、遊びに来てください。 ハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハ・・・・・バイ
投稿: チビ | 2011年11月23日 (水) 17時15分
>チビ君
こんにちは!コメントありがとう
返事遅くなっちゃってごめんね。
チビ君のことはもちろん覚えているよ!
大人顔負けのしっかりした演技!よく頑張ってくれました!
学芸会は、本当に楽しくできて良かったね!
最後は感動に包まれて…素敵な舞台でした。
江原小で過ごす時間も、あとわずかになってしまったけど、仲良く、尊重し合いながら、楽しく過ごしてください!
6年生のみんなにも、よろしく伝えてね
投稿: るみこ | 2011年12月 1日 (木) 10時49分