ありがとう☆『みんな我が子』
ご報告遅くなりましたが…
響人第8回公演『みんな我が子』
9月29日、無事千秋楽を迎えました!
ご来場いただきました皆様、観れずとも遠方から応援してくださった方々、本当にありがとうございました!!
欲をいえば、観ていただけなかった方には何とか観に来ていただきたかった、声を掛けきれなかった方々にはもっと熱心にお誘いすれば良かった…
と悔やまれる作品になりました。
こんな風に自信を持って云えるなんて…なんと幸せな俳優なんでしょうか!
今日は『みんな我が子』の終止符として…
私に与えてもらったすべての想いをここ残したいと思います。
あ、はじめに云います。
相当長いです!
完全に私の独白記です。
見事、最後まで読みきれた方はコメントください!笑
心の準備はいいですか??
それでは。。
<出演決定まで経緯>
『みんは我が子』出演依頼を「響人」主宰の広瀬さんからご連絡いただいたのは4月末。
「アンという芯の強い女性の役。真家ちゃんのイメージにぴったりなんだけど…」と。
もう2年も舞台から離れていた私を、広瀬さんが俳優として意識に留めていてくださったことは本当に嬉しかったけど…
「舞台出演なんて、とんでもない!」
これが私の率直な感想でした。
娘はまだ9ヶ月の頃。
司会業は再開していたとはいえ、ほぼ毎日娘につきっきりの生活です。
舞台の稽古がどれだけ過酷か、自分が作品と向き合った時、どれだけのめり込んでしまう性質か、自分が一番よく分かっています。
でも、いただいたお電話で即お断りするのは失礼と思い、
「一晩考えさせてください」
そう云ったのが、コトの始まりでした。
たまたまその夜、娘を主人に預けてまだ通い始めたばかりのピラティスのレッスンを受けていました。
自分と向き合える唯一の時間の中で、フツフツと湧き上がる「やってみる」という選択肢の可能性。。
娘を預けることさえできれば…
いや、今無理してやる話じゃないか…
ホントに「白い真家」と「黒い真家」がそこにいるんじゃないかってくらい、やるべきか、やらないべきか、めちゃくちゃ悩みました。
そしてこの想いを主人に伝えると…
さすがに私のご主人様です!
「(託児所探し等)やれるだけのことはやってみて、それから判断したらいいんじゃない」と。
そこからは怒濤の日々。
待機児童だらけのこの居住区で託児所探しは超難関。役所へ行ったり、保育所に飛び込みで聞いてみたり。
そして、たった一件だけ見つかったんです!7~9月限定で預かってくれるという認証託児室が!
これは“舞台の神”が私を舞台に復帰することを許してくれた証だと思いました。
と、同時に…
義母や両親の協力なくしては乗り切れない話なので相談したところ、快諾してくれました。
ホントややこしい仕事している嫁=娘でごめんなさい>_<
<稽古開始>
そうしてようやくスタートラインに立つことができた『みんな我が子』。
7月20日から始まった稽古は浦島太郎な気分でした。
台詞云ってる自分がむず痒い。。
今思うと、もっともっと稽古の話を残しておけばよかったなぁ…と後悔してます。でも毎日必死だったのですよ、、だから許して。
栗原崇さんの稽古法は本当に特殊で面白かったです。稽古開始早々に「台詞は覚えないでくださいね」って云われた現場は初めて!
私演じるアンが密接に関わる兄・ジョージと恋人クリス。
言葉を交わさず、視線の奥で交流する稽古から始まり…
3人のシーンでは切羽詰まりすぎて呼吸困難に陥ったこともあります。
ジョージと父への思いが強すぎて、なぜアンはそこまでしてもクリスを選ぶのか分からない…なんて崇さんに相談したことも。
その解決策は、アンとクリスとの関係を深めることで、ちゃんとクリアできましたけどね。
<グリーンライトエクササイズ>
崇さん独自のメソッドで、役者自身を解放し、集中し、自分の役と交信するという(ちょっと言葉では説明できない…)稽古ができたことも貴重な経験でした。
そのおかげで、実際、頭の想像だけでは行きつかない世界へ行っちゃったこともあります!
[恋人だったラリーと過ごした時間]
[父スティーブと刑務所での面会]
舞台では表現されていませんが、アンが必ず通った道をこの「グリーンライトエクササイズ」で体感させてもらいました。
あれ、ちょっとコワイ話になってる!?(*≧艸≦)
でも、17年やってきた俳優人生でこんな経験は初めてでした!
架空の世界で、用意されてもいない言葉を架空の相手に向けてベラベラしゃべっている自分がいるんですから。。
こういうメソッドに入り込みやすい人、にくい人、効果的な人、そうじゃない人…色々だと思いますが、私は至って素直な役者なので(笑)あまり疑うこともなく、入り込みすぎることもなく活用することができた、そんな感じです。
<いよいよ開幕!>
アンとして色んな経験を積み、丸2ヶ月間の稽古を経て開幕した『みんな我が子』。
実は…主人が稽古開始一週間後に右足首骨折をしたことと、母の仕事の関係で、娘は託児室に預けず、我が家で義母と両親にみてもらう…という本当に有難く、安心な展開になっていました!
これも“舞台の神”の仕業かな??
開幕してからは本当に感謝を感じる日々。
観にきてくださるお客様があってこその舞台です。いつも応援してくれる演劇部の仲間、友人、この出演をきっかけに再会ができた方々、日頃お世話になっている方々、そして私にこの時間を与えるために娘の面倒をみてくれた義母、両親、主人。
日々増えていく客席の中に、やはり自分を支えてくださっている方々の笑顔があることは本当に幸せなことだと思いました。
俳優としてスキルアップができる作品に出逢えることはもちろん有難いことですが…
私が芝居を続けてきた理由って、やっぱり応援してくださる方がいるから…なんですよね!
その期待していただく気持ちが原動力になっているんです!
だから、今回劇場へ足を運んでくださった方々への感謝の気持ちは決して忘れません!!
<共演者の皆さまへ>
広瀬彰勇様(ジョー・ケラー)…
これまでも、芝居好きの役者臭さが自分と似ていると可愛いがってくださいましたが、今回お誘いいただいたことは一生の恩といっても過言ではありません。恩返しができるよう、これからも頑張ります!
末次美沙緒様(ケイト・ケラー)…
四季では大大大先輩、超ベテラン女優として見てきた美沙さんとはじめて稽古をご一緒してみて…驚愕させられることばかりでした。どうしてこんなに純粋に、熱心に、時には臆病に芝居ができるのか!?役に向き合う美沙さんの謙虚さには頭があがりません。この舞台で初めて「舞台に出るのが怖くなくなった」と仰った美沙さん。これからも憧れの大先輩女優として背中を追わせてください。
西山聖了様(クリス・ケラー)…
その若さで、父、母、恋人、戦時の辛い経験の板挟みとなるクリスという難役に挑んだキヨ。アンにとっては唯一の心のより処であるクリスですが、お互い心の交信に苦戦しましたよね。
キヨはクリスが嫌いだと云ってましたが、アンは貴方のクリスを愛することができました。また新しいキヨに会える日を楽しみにしています。
内藤大希様(ジョージ・ディーヴァー)…
私のお兄さんでありながら、実際は7つも歳下。でも、ジョージの想いがしっかりと埋まっている大希は、そんなこと感じさせないくらい信頼できるお兄ちゃんでした。稽古で一番最初に心で交流出来たと感じたのもジョージ。
あと、罰ゲームしたがる大希、サイコーに面白かったです!
谷内愛様(リディア・リュビイ)…
四季では数々のヒロインを演じてこられた愛さんが、今回はその才能を持て余すかのような役どころ。でも、私裏方好きなの~ってアイロン掛けてくださったり、稽古中の不穏な空気をその明るさで払拭してくれたり、、やっぱり四季で踏ん張ってこられた方は違います!!愛さんはこのカンパニーで一番の大人でした!リディアの前髪かっちょ良かったです!
羽吹諒様(フランク・リュビイ)…
キヨ同様、私には新感覚!?現代っ子役者の羽吹くん。
パンチのいる役どころで沢山苦戦もされたと思いますが、楽日の最終稽古を客席から見たとき、羽吹くん貫禄ついたなぁ…って心から思いました。
響人では大先輩の羽吹くん、また違った顔を見せてね!
藤井健太郎様(ドクター・ジム・ベイリス)…
会ったときから「巨匠」と呼ばれていた巨匠。私とは芝居の絡みは少なかったですが、幕開け、ジョーさんとの絶妙な絡み具合が私にはツボでした。二枚目俳優からの脱却、楽しみにしております!それから、毎日掃除機、ありがとうございました!!
かわづ恵様(スー・ベイリス)…
アンとスーの女の闘いのシーン、一番最初に稽古しましたよね。その反動からか、一番語り合い、仲良くしていただいたキャストさんがヅー様でした!
大先輩でありながら、こんな小娘の小言にも付き合っていただいて…本当に素敵なお姉様。ヅー様のプロ意識と謙虚さ、見習っていきます!
今だから言えますが、あの女の闘いの数分前、楽屋ではスーさんがアンの着替えを手伝ってくれてたんです!
じゃ、のちほど!って別れて、舞台上でケンカする私たち。楽しかったなぁ!笑
栗原崇様(演出)…
稽古はじめに2ヶ月間の稽古プランを発表していただいた時、この稽古が実現したら本番はどんなことになるんだろう、とワクワクしたことを良く覚えています。栗原さんはすぐにキャストそれぞれの性質を見抜き、役者に合わせて稽古してくださいました。
私も、自分には自覚のないクセがあって…そうならないためには、と公演が始まってからも目をつぶらず挑戦させてくれました。
(美沙さんとは真逆で)舞台に立つこてがコワイなどと一度も感じたことのなかった私が、今日どうなるかどう見えるか分からないという不安で怖かったこともありました。
でも諦めず一緒に検証してくださって…これだ!って回が迎えられたとき、めちゃくちゃ嬉しかった。もうブレない自信を掴ませてくださいました。
信頼できる演出家さんに出逢えて幸せです。私たちキャストを信じ、愛してくださってありがとうございました!
そして、
アン・ディーヴァー様…
心理状況大丈夫!?
と思ったのが貴女の第一印象でした。
場面ごとに発言がコロコロと変わって…何度栗原さんに相談したことか(笑)。でも次第に、貴女が素直で、一途で、かなり頑固ゆえにこんな言動を取るんだと解った時、とても愛おしく思えました。
「暗闇から救ってくれたクリスとどんなことがあっても共に生きたい」そんな貴女の想いを私は懸命に体現したつもりです。
アン、私を信じて共に闘い、共に歩んでくれてありがとう!!
<最後に…>
片っ端から自分の想いを連ねてきましたが、そろそろお別れしたいと思います。
4月末の広瀬さんからの電話…
もし、あの時即答でお断りしていたら、今の私も、この満たされた心もなかったわけです。
今回も「響人」の一観客。
やっぱりいつか出たいなぁ…と羨んで帰宅したことでしょう。
これまでどんな舞台に立っても達成感はありました。
ただ、今回は根本的に何かが違かった。その何かは私の中にしまっておきますが。。
決して自分の努力だけでは成し得なかった舞台復帰。
家族の協力、カンパニーの配慮…多くの方に守られて、再び俳優として板の上に立つことができました。
これだけの長文を書かずしては終われない私の気持ちをお察しください。
響人『みんな我が子』…
素敵な時間をありがとうございました!
そして、さようなら!!
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コメント
しっかり拝読しましたよ〜!
お疲れ様でした〜♡
投稿: loco moco | 2013年10月 3日 (木) 20時52分
>loco moco
完読、ご苦労様でした!!
投稿: るみこ | 2013年10月 3日 (木) 21時25分